「…北澤は?」
「え?」
「夏休み中はずっと、音沙汰なし?」
そんなことを思っていると
今度は要くんから、私の恋愛事情について
質問してきた。
私はそれに対して
縦に首を振る。
「私からも連絡してないし…
あっちからも、特に来ないから。」
「…そうなんだ……。
多分、あっちも北澤のこと気遣ってるのかもね。」
「…そうなのかなぁ…。」
私は多分
『あの件』のことが気まずくて
連絡するの避けてるのかも…、なんて
思ってるけど。
私も受験を理由にしながらも
それも少しは入ってるし…。
多分これは
勇さんも一緒なんじゃないかなぁ───。
私はそう思いながら
要くんに小さく笑みを返した。
───ちょうど
そんな、時だった。
視線の先に止まった
男女の姿に
私は思わず、足を止めた。
(───────え?)
そして思わず
心の中でそんな声を漏らして
私は 目を見開く。
そんな私につられて
要くんも足を止めると
私の見つめる視線をたどって
彼も─────『それ』を見た。

