「!」
「あはは、聞いてくれてありがと!」
女はそう言って
地面に置いていた俺の出前の籠を
スッと持ち上げると
それを俺に持たせて
歯を見せて笑う。
「バイト中にごめんなぁ、愚痴って!
お詫びにお皿は明日私が届けるわ。」
「……どーも。」
俺は短くそう返すと
籠を持って
そして静かに…そいつ見下ろした。
「………ん?進藤くん?」
「………別に、無理して笑わなくて良いんじゃねぇの。」
「───っ!」
俺がそう言うと
あっちは驚いたように目を丸くして
ハッとしながら、俺を見上げる。
……無理な笑顔が、そこで消えた。
あぁやって
何かあっても無理して笑ったり
笑って誤魔化す仕草が
───少し、柑奈と似ていた。

