「…実はな、今朝 彼氏にフラれてて。」
「!」
「だからさっき進藤くん来た時、もしかしてって思って飛び出して…ってもう
あはは、恥ずかしいわぁ。」
「………。」
「…せやからな、やけ食いしよって思ってラーメン注文してん。
そしたらそれ運んで来るんが知り合いやもんな〜!ホンマ恥ずかしい〜!あははっ。」
そして
俺に向かって笑顔を浮かべると
ケラケラと笑って
自虐するように明るくそう話す。
そしてそれから
話に対して何の言葉も返さない俺に
女はまるで独り言をこぼすように
その『元カレ』の話をしだした。
「…その彼氏ってのがなぁ、私の片思いから付き合った人でな。
高校の卒業式の時に、私から告白して付き合ってたんやけど…。」
「………。」
「いつもその人な、私と居る時も
心は私んとこに居ないっていうか……
ずっと 上の空って感じで。」
「………。」
「私のこと好きなのか段々分からんくなってきて……
ずっと不安で、でも怖くて何も聞けんくて。」
そう言いながら
そいつとの日々を思い出すように
喋りだした女が
話しながら再度、涙を溜める。
俺は何も言わず
黙ってそいつの話を聞いていた。
「聞けん間ずっと苦しくて……
2人で居るのも、そのうち辛くなってきて。」
「………。」
「だから今朝な……私が聞いてん。
『私のこと本当に好き?』って。」
「………。」
「……本当はな、私と付き合う前から好きな人がおったんやて。
だけど告白する前に失恋して……
私と付き合ってる間も、忘れられんかったみたいでな。」
「………。」
「……それ聞いた後、『ごめん』って言われて…そのまま別れた。」
そう言って
あいつは俺に一連を話し終えると
大きく深呼吸をして
それから赤くなった目で笑いながら
俺の背中を パンッ!と、軽く叩いた。

