「……お、おい………。」
「っ…ご、ごめ……!
ちゃうねん、これはその…ちゃうくて…っ。」
なんて否定しながらも
ボロボロ泣き始めるこいつに
俺は内心少し焦りながら、固まった。
(………やべぇ……。)
……どうすりゃいいんだ、コレ。
そんな風に思いながら
目の前で泣くこいつを見下ろして
そして俺はとりあえず、
出前の籠を地面にそっと置く。
「っ……ごめ、ホンマごめん…っ。」
「いや……俺は別に……。」
女は必死に袖で涙を拭きながら
泣き止もうと、目を手でこする。
俺はその姿に
何もしてやれることがなく、
ただ呆然と見下ろしながら
目の前に、静かに立っていた。
…そして少しして、女が泣き止む。
「……ご、ごめん…。
何か混乱させたし、困らせたな…ごめん…。」
「……別に…。」
俺がそう返事をすると
女は「はは、優男やな。」と小さく笑って
俺の方に顔を上げた。

