そんなことを考えながらバイクを走らせて
注文先の住所へと向かう。
店の最寄駅からは少し離れた住宅街の中を
1人走っていると
そのうち、目的地のマンションまで辿り着いた。
ここの3階に、真夏のラーメン待ってる客がいんのか…。
(まぁ9割方、男だろうな。)
俺はそう考えながら
ロビーのオートロック前で
住所の記載通りの部屋を呼び出す。
するとすぐに、相手が出た。
「…はい、金田ですけど。」
「!」
しかし
俺は出た人物の声を聞いて
思わず驚く。
………女…?
それに僅かながら
インターホン越しの声に
関西訛りが入っている気がした。
「あ…『らぁめん岳』です。出前お持ちしました。」
「あぁ……今開けます。」
俺の言葉にそうとだけ返事をすると
相手はオートロックを開けて
ガチャンッ、とインターホンを切った。
俺はそれに従ってマンションの中に入ると
静かにエレベーターに乗り込む。
(……男じゃねぇのか………。)
まさかこんな真夏に
ラーメン頼む女がいるとは───。
俺はその事実に驚きながら
エレベーターが3階に到着するのを待った。

