「………。」
「…大丈夫ですか?
怖い夢でも見ましたか…?」
私がその場にしゃがんで
彼にそう尋ねると
これが現実だと分かったのか、
何やらホッとするように
はぁ…、と 勇さんは息を吐いた。
そして
安堵したような声で
1人呟く。
「……お前が…」
「…?」
「………いなくなったかと思った……。」
そう呟くと
勇さんは再び安堵したように息を吐いて
深呼吸をする。
…どんな夢を見たのか分からないけど
不安になるような夢でも、見たのかな。
「大丈夫ですよ。ちゃんといます。」
「……あぁ…。」
私がそう言うと
勇さんは淡く微笑みながら、
ゆっくりと私の方に視線を向ける。
まだ熱は下がっていないのか
熱っぽい視線はそのままだった。
(──────っ。)
その彼の視線に捕らわれて
私は思わず、ドキッと胸を鳴らせる。
勇さんはそれ気づくはずもなく
私に視線を向けたまま
黙ってこちらを見つめ続けていた。
(っ……ど、ドキドキするな自分!
これは熱のせい、勇さんのこれは熱のせいなの!)
私はそんな彼の視線から
胸を落ち着けるように
先ほど階段での自分の意志を思い出して
自分の気持ちを誤魔化した。
今の勇さんに惑わされるな私…!

