私はそう思いながら
赤い顔を隠すように
その場から立ち上がり、
勇さんに一言断ってから
店長さんの作ったおかゆが入っていた
お皿を シンクで洗う。
するとその間に
視界の端のほうで
勇さんが体を起こしたのが見えて、
私は思わず手を止めた。
「…勇さん?」
ベッドから降りようとする彼を見て
洗い物を即座に終わらせて
どうかしたのか、と彼に尋ねる。
すると
「……アレ、取って。」
「…アレ…?」
勇さんは私にそう言うと
私の背後の方を指差しながら
コホコホと咳をする。
私はその指の先を辿って
視線を向けると
そこには、黒いTシャツがあった。
「あ…着替え、ですか?」
「ん…。」
私の言葉に頷きながら
小さくそう答える勇さん。
おかゆを食べてから 体が熱いのか
気付いてみると、
心なしか表情がさらにトロンとしているような気がする。
(それに朝からずっと動いてなかったら
そろそろ着替えたくなるよね---。)
私はそんな風に
勇さんの言動に納得しながら
言われたTシャツを手にとって
彼の元に戻る。
──────しかし
「っわ───!!」
「!!」
戻ろうとした途中
床に落ちていた何かに躓いて、
体のバランスを崩す。
そして
その傾いた体は
なんと、目の前の勇さんへ向かって
倒れていって────
「─────っ!」
そしてそのまま
私を受け止めた勇さんを
まるで押し倒すような形で
2人で────
ベッドの上に 倒れこんでしまった。

