───しかし
扉をノックしても
中からは、何の応答もなくて。
私は不思議に思って
もう1度扉を叩くけれど
同じく───反応がない。
…寝てるのかな………?
そう思って
私は恐る恐るドアノブに手を伸ばすと
なんと
ガチャッ、と鍵が開いていた。
(え、嘘。)
私はそれに驚きながらも
遠慮がちに
そっと…ドアノブを再び握る。
そして
鍵の掛かっていない扉を
恐る恐る開けてみると…
中は
電気もつけられておらず真っ暗で
窓も閉まりっぱなしのままだった。
私はそんな部屋の状態を見て
勇さんへの心配がさらに増して、
恐る恐る…中に足を踏み入れる。
勇さんごめんなさい、勝手に入ります…。
「……勇さん…?」
昨日訪ねた時にあった
彼の荷物の残骸は
奥の部屋の机に、そのまま。
少し散らかっているように見える部屋は
まるで
やはり勇さんが
いつもの状態でないことを
よく表しているようだった。
そしてその側にある
ベッドに視線を向けてみれば
その上に横になっていたのは───
「…あ……。」
紛れもなく───勇さん。

