しかしすぐに、その答えが発覚する。
「階段、気をつけろよ。」
「…??」
(階段…??)
お店を出てすぐに彼からそう言われ
顔を上げて彼を見ると
お兄さんはお店のすぐ裏に回った。
とりあえず私もその後をついて行くと
すぐに 階段を見つける。
---それは、お店の2階に繋がっている階段だった。
そしてその2階には
アパートのように、部屋のドアがあって---
「え、部屋って……
お店の2階なんですか?」
「あぁ。」
お兄さんはそう短く返事をして
その階段を上がっていく。
階段は少し急で
手すりを掴まないと、何となく危ない感じだった。
(階段気をつけろって、こういうこと…。)
私はお兄さんの言葉と同時に
店長の『上』という言葉の意味も、理解した。
予想外だったけど、これで全部納得。
「狭ェけど、寝るだけなら十分だから。」
私が階段を上り終えて、
彼の隣に立つと
お兄さんが部屋の鍵を開ける時に
私に向かってそう言う。
そしてドアを開けると
私を置いて
スタスタと 中へ入っていった。
「お、お邪魔します…っ。」
私は少しかしこまりながら玄関に入り、
そこで靴を脱ぐ。
自分の靴を揃えるついでに
お兄さんの靴も一緒に揃えた。
そしてワンルームの部屋に踏み込むや否や
お兄さんが私に言う。

