好きって言ったら、どうする?












(…………。)











私はそう言うお兄さんの横顔を見て




なぜだか…



直感的に

何となくこの人なら 本当に大丈夫かも、という思いがよぎる。







黙って私の返事を待っている彼は


特にそれ以上引きとめようとしているわけでもなく




もちろん、がっついてくる様子はない。









こんな自分の勘を信じて良いのか
よく分からなかったけど


それでも…







決断するには十分だった。












「……じゃあ……お願いします…。」

「…ん。」










私の答えを聞いて、
お兄さんは小さく返事を返すと

店長に 軽く合図をする。






何の合図かと思いながら
そのまま座っていると、





しばらくして




厨房から
店長に2人分のラーメンを出され

私は小さく目を丸くした。










(……そういえば、奢ってもらう約束をしてたんだっけ。)









お兄さんと公園で約束した言葉を
今になって 思い出す。






まさか 本当に奢ってくれるとは思わなかった。











「へいお待ち!残さず食えよ!」

「…ありがとうございます。」

「ユウにもお礼言っとけよ?
全額こいつの持ちだからな!」










店長さんから笑いながらそう言われ、
私はすぐに隣の彼を見る。






お兄さんは
先ほどから何ら様子を変えないまま



私がお礼を言う前に

すでにラーメンを 食べ始めていた。








私はそんなお兄さんに
小さくお礼を言う。









「あの…ありがとうございます。」

「ん。」










お兄さんは顔をこちらに向けることなく
また、短くそう返事をするだけだった。