(こういう人だから
きっと要くんは好かれるんだろうなぁ…。)
謙虚な彼の姿に
私はそう思いながら
要くんが人気なことに 1人納得した。
確かにこんな良い人、女子が放っておくわけないよ。
「そういえば要くん、お友達は?
さっきのではぐれちゃったんじゃ…。」
「あぁ、実は待ち合わせ場所決めてあって、まだ合流してないんだ。」
そんなことを思いながら
私は要くんにそう尋ねると
要くんは、
「これから行くところだよ。」と
優しくそう言って、笑みを浮かべる。
「へぇ、そうなんだ。」
「うん。
北澤は?お兄さんどこいるの?」
「あ、えっと
今焼きそばを買いに行っ───」
要くんからの質問に
"今やきそばを買いに行ってくれてる"
そう答えようとした途中の時だった。
─────グイッ!
(っ………わ…!?)
突然私の体が
グイッ、と後ろへ引っ張られる。
そんな
後ろへ倒れそうになる私を見て
要くんは驚いたように目を丸くするけれど
彼が私に何か言おうとしている途中で
私はそのまま
人混みの中へ 飲み込まれた───。

