「……あ……要くん!」
「本当に会えたね。
人が多いから、きっと会えないだろうなぁと思ってたのに。」
私を見つけて
人の流れから外れて
1人目の前へやってきた要くん。
本当にすごい混んでるね、と
自分が今歩いていた人混みを眺めながら
要くんが静かにそう言う。
「本当にすごい人だよね。
花火始まる1時間前でもすでにすごい混んでたよ。」
「本当に?
今年は去年より賑わってるんだね。」
要くんはそう言いながら
人混みから
パッと 私に視線を移して
私の姿を眺めながら
優しく微笑んだ。
「いいね、浴衣。
北澤にすごい似合ってるよそれ。」
「本当に?
嬉しい、ありがとう。」
そしてそんな優しい言葉を
かけてもらい、
私は照れながらも
笑ってお礼を返す。
要くんは浴衣を着ておらず、
普通に私服を着ていた。
相変わらず、すごくおしゃれ。
「…あ、そうだ!
髪型ね、要くんのアドバイス参考にさせてもらったよ。」
「え、本当?」
そんなことを考えている途中で
私はハッとして
思い出したようにそう言うと
要くんが優しく微笑む。
それは嬉しいな、と
要くんは言って私の背後に回ると
私の髪型を見て
「うん、いいね。」と頷いた。
「要くんのおかげで
お兄さんにも浴衣褒めてもらえたよ。」
「本当に?
良かったね、おめでとう。」
「ありがとう。
要くんのおかげです。」
「いや、別に俺は何もしてないよ。」
ただリクエストしただけだし、と
相変わらず優しい要くんの態度に
私は癒されながら 笑顔を向ける。

