そして
手慣れた手つきで
パンッ!と弾を撃ち、
景品を落とした。
「すごい…!
さすがです、勇さん!」
「ん。
……ほら、やるよ。」
「え?」
私がそう言うと
勇さんはお店の人から
景品の小さな人形をもらって
それをこちらに手渡してくる。
───可愛い犬の人形だった。
「可愛い……
良いんですか、もらっても?」
「ん、もらって。」
俺が持ってても似合わねェだろ、と
勇さんは
人形を持つ私を見下ろしながら 優しく笑う。
私は喜んでお礼を言って
その人形を バッグの中に入れた。
(───今日からこれは宝物だなぁ。)
そう思いながら
私は思わず小さく笑みを零す。
「…そろそろ何か食うか。何食いたい?」
「あ、えっと……
私 焼きそばが食べたいです。」
「ん。」
勇さんは私にそう言うと
私の手にそっと触れて、
そして再び しっかりと手を繋いだ。
混雑している人ごみの中に
流されるようにして進んでいくと
焼きそば屋さんが見えて
勇さんがそこで路を外れる。
「あっちに座れるとこあるだろ。
先そっち行って休んでな。」
「え?いやそんな、
私が買いますから勇さんがあっちで…!」
「いーから。」
そう言うと、勇さんは
列に並ぶ私の背中に手を置き
そこへ向かうように優しく押した。

