そんな状況に
至っていつもと変わらない様子のまま、
勇さんは私に銃を持たせる。
「構えて。」
「か、構え………こう、ですか?」
私は銃を構えて、勇さんにそう尋ねると
勇さんはそれを見て
少し黙ってから
静かに───私の背後に回った。
「できるだけ前屈みで、こう。」
「───!!」
そしてすぐ
私の耳元で───彼の声が響いて。
背中に感じる勇さんの体と、
耳元で聞こえる声、
そして…すぐ横にある、顔。
何もかもが私の鼓動を早くさせて
顔に熱を集めさせる。
「狙い定めて───」
「は、はい……っ。」
「──────撃つ。」
───パンッ!
勇さんが言った通りに
私は銃の引き金を引くと
狙っていたお菓子に弾が当たって
見事、後ろへ落ちた。
私はそれを見て、パッと顔を上げる。
「勇さん!取れました!!」
「ん、やったな。」
勇さんは、私が喜んでいるのを見ながら
フッと笑みをこぼしてそう言い、
私の頭を───そっと撫でた。
その仕草に、またドキドキする。
私を妹扱いすることに慣れたのか、
もう勇さんから頭を撫でられるのは
よくある出来事になりつつあった。
そんな勇さんの癖が、こんなに嬉しいなんて───。
そんなことを思いながら
隣で再び銃に弾を入れている勇さんを見つめていると
不意に
勇さんが、こちらを向いて
バチッ---と視線が重なる。
(───っ。)
私は思わず
それにドキッ!とした。
そんな私に勇さんは
こっちを見ながら、フッと微笑む。

