そして勇さんはそれを終えると
静かに白いヨーヨーを持って
その場に立ち上がる。
それから再び私の手を
自分の手で包み込んだ。
「よし、次行くか。」
「はい。」
私はその自然な動きに
思わず体を緊張させるけれど
そのまま普通に進み始めた勇さんに
静かについて行く。
(……もしかして、私が欲しがってるのに気づいたのかも……。)
私は歩きながら
繋いでいない方の手にある
ヨーヨーを眺め、
そんなことを思った。
───勘の良い勇さんなら、あり得る。
私が欲しがっているのに気づいて
柄にもないヨーヨー釣りなんかを
やってくれたに違いない…、そう思った。
それなのに何も言わず
自然とそれをこなしてしまう勇さんが
私はまた……堪らなく愛しくなる。
───本当に嬉しくて、どうしようもない。
「……あ、射的。」
そんな風に感じていると
勇さんがふとそんな声を上げて
視線をそこへ集中させる。
私もそっちの方を見つめ、
「本当だ、射的ですね。」と彼に返した。

