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(わぁもう人がいっぱい……!)
準備を終えて
少し余裕を持って家を出ると
待ち合わせの場所近くまでやってきて
人の多さに少し驚いた。
花火大会まで1時間前でこれなら
開始時間にはもっと増えるんだろう。
(海の場所調べておいて良かったかも…。)
こんなに人がたくさんいたら
きっと私の身長じゃ
前に男の人が立ったら見えなくなる。
それにぎゅうぎゅう詰めになりながら
花火を見るより
少し余裕のある空間で見た方が
もっと花火を楽しめそうだしね。
(…待ち合わせ場所ここだよね…?
勇さんもう来てるかな?)
私は 待ち合わせ場所付近に到着し
周囲をぐるっと見渡す。
でも、人が多いのもあってか
なかなか勇さんの姿を見つけられず、
行き交う人の波に
何度か飲まれそうになった。
(どうしよう、電話するべきかな……。)
それとももう少し待ってから……、と
そんなことを考えながら
キョロキョロと辺りを見渡していると
ふと
数人のお姉さんたちに話しかけられている
黒い浴衣を着た
男の人の後ろ姿が 目に入った。
(え……まさか………?)
私は
何となく予感がして
ドキッと心臓を高鳴らせるけど
お姉さんたちと話している様子のその人に
話しかけに行くこともできず
その場で様子を伺う。
そしてすぐに
その男の人がお姉さんたちに何かを言うと
お姉さんたちはそのまま立ち去り
その人1人になった。
───そして次の瞬間
「…………あ…!」
「…!」
振り返った彼と
少し離れた距離で 目が合った。

