「……花火大会のこと
今のうちに軽く決めとくか。」
そしてそんな沈黙を埋めるように
俺は新たな話題を切り出す。
───まだ、切りたくなかったのが本音。
「あ、そうですね。
えっと…確か花火は7時からですよね?」
「あぁ。だからそれまでに食い物とか買っときたいよな。」
そんな風に、当日の予定を軽く立てて
余裕を持って行けるように
こうしよう、ああしよう、と
色んな提案を交わす。
そんな時間を過ごす間に
俺の中のモヤは
知らないうちに……完全に消えていた。
「───じゃあ、そこに5時半集合で。」
そして
当日の予定を全て決め終えると
再び、沈黙が訪れる。
そして静かに
互いに挨拶を交わした。
「じゃあ……おやすみ。」
「…はい…おやすみなさい…。」
ぎこちなくて
何だか寂しい余韻を残しながら
互いに電話を切った。
俺は携帯を耳から離して
はぁ…、と息を吐くと
その場にしゃがみ込んで
静かに目を閉じる。
(………早く当日なんねェかな…。)
なんて
柄にもないことを考えながら
玄関から靴を脱いであがり
黙って風呂場に直行した。
▲勇side END▲

