今日もやっと、長い一日が終わる。
勉強、部活、人間関係。僕は何処に居ても自分を殺さなければならなかった。

空は、酷く綺麗な夕焼けで、つい涙を零してしまった。
いけない、この涙は、もう少し後にとっておこう。


……君と同じ雨を降らすために。



「あきーー!僕だよー!」
学校帰りに毎日あきに会いに行く約束を、僕は絶対に忘れはしないのだ。

「あきーーー?」

おかしいな、いくら呼んでもあきからの返事が無い。
こんな時、あきは決まって部屋の隅でうずくまっている。
僕は鉛色の音を立ててドアを開け、中に入っていった。
勝手に入っちゃってごめんね、あき。