惑星(ほし)が僕らを結ぶから

授業開始10分前
彼女がやって来た。

授業が始まると、彼女は僕が指定した
問題をたんたんとやっていく。

僕は、彼女は塾に来る必要がない位
頭が良いと思うし、志望している大学には余裕で受かるだろうといつも思っていた。

だから、塾に来てる理由がいまいち
わからなかった。

僕がもう1人の生徒を教えていると、
肩を叩かれた。

そう、彼女だ。

「あっ、雪ちゃん解き終わったか。
じゃあ、少し待ってて。」

そう言うと彼女は頷いた。

彼女はしゃべらない。

しゃべれない訳ではないと思うが、
僕はしゃべった所を見たことがなかった。

そんなこんなで
その日の授業もなにもなく終わっていった。