私の向かい側に来てプリントに目を落と

す。

問題を読み上げながら、徐ろにワイシャツ

のボタンを外していく先生。

もはやプリントなんて見ていなくて外され

ていくボタンと先生の骨ばった手に夢中に

なっていた。

3つ開け終わった時、先生が顔を上げた。

「お前、どこ見てんの?」

(やば、バレてた。)

じっと私の顔を見てくる先生。

「変態。」

ピシャリと言われる私。

「はああ??先生が悪いじゃん!!」

と、ついムキになって体を乗り出した。

そのせいで先生と私との距離は数十センチ

程になった。

興奮して赤くなる私とは反対に冷静な先

生。

「生徒のくせに生意気ですね、桜木葉月さ

ん?」

そう言い顔を近づけてくる先生。

反射的に顔を背けようとした時、頬を鷲掴

みされた。

「ちょっと、何だよ!」

先生の手を振り払おうとするも、思ったよ

り力が強く必死の抵抗も虚しく終わった。

「口が減りませんね桜木さん」

フッと笑う先生。

「せ、先生が思わせぶりな事するから!」

なんて思わず言ってしまった。

恥ずかしさのあまり顔を背けたかったが、

生憎鷲掴みされてるせいで身動きがとれな

い。