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翌日、先生と廊下ですれ違った。

昨日の出来事を思い出すと恥ずかしくな

る。

「おはよう」

と言われ、小さな声で「おはようございま

す」と返した。

いつもの白衣を着て、ワイシャツのボタン

は一番上まで留めていた。

昨日のセクシーな先生は幻覚だったのか

ななんて思ったくらいだ。

その日は特に何もなく学校が終わった。

帰りに小学校からの幼馴染の品川彩花(しな

がわあやか)を連れ、陸上部が練習している

グラウンドの前を通った。

すると、陸上部部員と一緒に走る先生が目に

はいった。

しばらくフェンス越しで見ていると、隣り

に居た彩花に

「葉月って、ほんと山田先生の事好きだよ 

 ねー」

と言われた。

「そんな事ないわ(笑)」

って笑い返した。

そんな話をしながらも、先生を目で追って

しまう辺り相当好きなんだと思う。

ずっと見てたいなぁーなんて思っていると

彩花にスクールバッグを引っ張られた。

「いつでも見れるから、ほら帰るよ。」

と半ば無理矢理フェンスから剥がされる。

「もうちょっとだけー」

なんて声も聞こえていないのか引きずられ

て行く私。

別れを惜しみつつ、仕方なく帰ることにし

た。