高2の頃、好きになった先生がいた。
その先生の名前は山田。
そして、私の嫌いな物理の先生だ。
山田先生の授業は週に1回だけある。
授業は嫌いだけど先生は好きなので授業を
サボったことは一度もない。
むしろ週に1回の授業を楽しみにしている程
だ。
先生はいつも眼鏡に白衣というTHE理科の先
生みたいな格好をしている。
白衣の袖を折っていて、そこから見える細
い腕に血管が浮き出てる感じがまた良い。
左手に教科書を持ち、ひたすら黒板に数字
を書いていく。
5時間目ということもあり黒板に羅列されて
いる数字を見ていたら眠くなってきた。
ちょっとだけならいいよね?なんて思いな
がら机に頭を伏せる。
その瞬間山田先生の怒鳴り声が聞こえた。
「桜木起きろ!!!!」
正確には寝ようとしていた私は、先生の怒
鳴り声と同時に顔を上げる。
「お前今日居残りだ」
なんて言われて黙っている訳もなく、
「ええええええぇ!!!!」
驚きのあまり叫んでしまった。
クラスメイトが蔑むような目でこっちを見
てくる。
思わず「何だよ」と言いそうになったけど
ギリギリ踏みとどまった。
まぁ先生と二人きりならいいか、なんて思
い少し嬉しかった。
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