今更、といえばそれまでだろう。
しかし・・・

「“君臨者”・・・ねぇ」

疑うつもりは無い。
ただ、ファロルが疑っているのはそこではない。

彼女は本当に、“君臨者”なのかというところだ。

確かめた訳ではない。
しかし、そうしか言いようが無い。
何にせよ、今は彼女の言葉だけが全ての糸口だ。
そう、だから―――・・・

「難しいことは考えない。それが一番・・・だな」

口元を緩ませ、ファロルは目を細めた。