隣の転校生。

キーンコーンカーンコーン…


「あっチャイムなっちゃった、ごめん朱、あとでHRの内容は教えるわ!」


「うんうん、それより次、理科の移動教室!」


「あ、そーか!はやく、朱、沙耶!」


「今行くー!!」


……



「……すなわち、自由電子は…」


あーー退屈だ。理科って特に眠いんだよね…


席順も移動教室のときは出席番号順だから、沙耶とも菜々ともはなれてる。


睡魔が襲ってきたそのとき、隣の健太(けんた)
が、ほい。と、手紙を回してきた。

沙耶か菜々だな、と思いながら開くと

《私、苗字が中沢でよかったわ〜笑 西山君の隣とかほんとやばいわ笑笑 てかさっきから朱、寝ようとしてるでしょ〜、そんなときに沙耶ちゃんからのラブレターよ〜♡♡》


…なんじゃこれ。でも、私は思わずぷっと吹き出してしまった。ナイスタイミング。


私はノートの端をちぎり、返事を書く。


《なんだよ〜笑 私に言っても狙ってないよ?別に笑笑 ほんとにナイスタイミングだよ、さっきから睡魔が襲ってきてる》


それを小さく折りたたみ、健太に回してもらう。


それからも、理科が終わるまで私達はずっと手紙を回していた。