隣の転校生。

私の席、窓側一番後ろにむかうと、隣に見覚えのない男子がいた。


とりあえず席に着くと、前の席の沙耶が小さな声で、


「…転校生だよっ。」


と教えてくれた。


「ほーほー、転校生って男子だったんだね」


私も小声で答える。


「そーそ!ちょっと女子がさわいでる」


私は転校生のほうをちらっとみて、すぐそらした。


「べつに普通じゃない?」


…一瞬目が合っちゃったよ……


沙耶は目をまるくして、


「いやいやいいほうでしょ!朱の基準が高いんだよっ」


と言った。