「ここ半年でようやく茫然自失の状態からは立ち直って、<グリーン>を家に迎えようと思いつくくらいには頭が回るようになった。
君が来てくれてからは、だいぶ落ち着いているように見えるな。
だが、まだ復帰できるような状態じゃない。
今でも突然嘆きの発作におそわれて、安定剤と睡眠薬が手放せないでいる」
「以前に何度かそういう姿を見たことはあります。けど、今も……?」
「ああ。君もまた目にすることになると思う。
……そうやってハルヒコが苦しんでいる時に、あいつに寄り添って、君のその<グリーン>の能力であいつの心の負担を少しでも軽くしてやってほしいんだ。
もちろん、最優先なのはマジュを治すことだ。
それに、ハルヒコにとって一番有効なのも、マジュが目覚めることだろう。
だが、そうなるにはまだそれなりの時間が必要だ。
だから……それまでの間、ハルヒコの面倒もみてやってはくれないだろうか」
頼む、リイナ、と重ねて言われて―――私は今度こそ、しっかりと頷いた。
「わかりました。ハルヒコ様のことも、マジュ様のことも、私におまかせください」


