エメラルド・エンゲージ〜罪の葉陰〜


この写真に写る、三人目の人物。


新郎新婦から肩を抱かれるようにして二人の間に立つ、ひとりの少女。

奥様が着ているのとおそろいのデザインのドレスを着て、小さなブーケを胸元に抱えて。

栗色の髪をきれいに結った頭を少しかたむけ、すまし顔でこちらを見つめる、お人形のように愛らしい10歳くらいの女の子。


真珠のように白い肌、そして、奥様とよく似た、くっきりとした紫の瞳―――




この子は、マジュだ。




(待って、これってつまり……)

どきどきしながら写真の中の少女を見つめていた私は、そこでアルバムの下に紙がはさまっていることに気付いた。


紙……手紙だ。


アルバムを持ち上げると、白い便箋が1枚と、その便箋を入れていたのであろう淡いピンクの封筒が姿をあらわした。

便箋には丁寧な文字が並んでいる。

丁寧で、でもどこかたどたどしい。

子供の書いた文字だ。