天井のメルヘンチックな照明を見つめながら考えてみるけれど、トウジ様の言葉の意味はつかめない。
……やめよう。
たぶん、今は考えてもわからない。
ここで暮らしていくうちに意味が分かるのかもしれないけど、とにかく今は自分の出来ることをするだけ。
私はベッドから身を起こした。
夕食までにはまだ時間がある。
今のところ、マジュへの治癒を行っている時間以外はすべて自由時間だ。
私はそれを自主学習の時間にすることにしていた。
『園』出身の〈グリーン〉の中には、大人になれば主人の秘書などの仕事を任されるものもけっこういるらしい。
私も、マジュが目覚めた後はそういった教育を受けることになるかもしれない。
そうでなくても、知識を増やしておくのは悪いことではないはずだ。
それにもともと、勉強は嫌いじゃない。
とりあえず今日は、屋根裏から借りてきた本を読み進めよう。


