ストーンパーク・ミュージアムのもう一つのエリアは、鉱物を芸術品として楽しむのを目的とした、大人向けの遊園地のようなエリアだ。

アート作品の展示やショーなどが行われているほか、アトラクションスポットにショップやバーもある。


「デートなら、このアトラクションは絶対に入っておかないとね」


ハルヒコ様がそう言って私を誘ったのは、『水晶の旅人』という名前の予約制アトラクションだった。

顔パスで受付を通る彼についていきながら、私は尋ねた。


「旅人……どういうアトラクションですか?」

「鉱物の世界を旅するんだよ。途中から暗くなるけど、大丈夫?」

「はい」


頷きながらもよくわからないままくぐった入り口の向こうには―――幻想的な世界が広がっていた。




最初は洞窟の中のような白い岩壁から透明な水晶が生える道を歩き、進むうちにピンクや黄色、様々な色や形の水晶が現れる。

やがてふいに辺りが暗くなり、案内に従い置いてあったランタンを手に歩いていくと、汽車のような乗り物の待つ場所へとたどり着く。

その汽車に乗って、鉱石の織り成す世界へ旅立っていく―――そういう設定だ。