校庭の真ん中にある大きな桜の木を、いつしかこの学校の生徒は特別な呼び方をするようになっていったという。 『師匠』 何故そう呼ばれるようになったかは、わからない。 この学校は、今年創立120周年を迎える、伝統ある高校、『空翔高校』。 きっと創立当初からあるこの木は、学校に起きた、すべての出来事を見てきたのだろう。 この幹にある大きな傷も。 不格好に伸びた枝も。 枝の先で手を振っている葉っぱも。 どれも、一言では言い表せない美しいものが、校舎から見て感じられる。