―――高校一年、春――― まだ白い雪が歩道の脇に居座っていた、あの少し肌寒い春の日。 僕は見つけたんだ。 雲ひとつない、青い空を見上げる君を。 君の吐く白い息が、遠くの青空に吸い込まれていって。 儚げに揺れる君の長い髪が、僕の脳裏に焼き付いたまま離れない。 今も、この先もずっと…。