シトラス・セブンデイ




これは厄介なことになってしまった。

放課後。きくちゃんのメッセージに『じゃあ、校舎裏でもいい? 目立ちたくなくて』と返事をすると、『了解』と簡素なスタンプが送られてきた。

今朝、自分から一歩踏み込んだくせに。やっぱり言うべきじゃなかったかも、と思う。

きくちゃんを好きなことが当たり前すぎて、それを本人に知られたことも、今からフラられることも、まだ全然受け入れられていないかもしれない。やっぱり今朝はどうかしてたかも。わたし、本当に計画性というものがない。

先に校舎裏についたけど、どきどきが止まらなかった。ちなみに言うと、黒瀬くんは校舎裏のすぐ側にある、図書室の窓際にいるから、と言っていた。『何かあればすぐ呼んで』と一言つけ加えて。『俺も着いて行っていい?』と言ったくせに、ちゃんと距離をとってくれるところ、黒瀬くんの優しさだろうなあと思う。



「─────ナツ」



ざ、と。よく聞く土を擦るような足跡と共によく知るわたしの名前を呼んだ声がして、わたしはスカートの裾をぎゅっと握りしめた。