シトラス・セブンデイ




「……あの人、まじでバカっすね」

「エーッと?」


きくちゃんが「じゃあ、体調早く治せよー」と保健室を出て行った後。若干不機嫌そうにパイプ椅子にもたれかかって座るカリンくん。


「てか、ナツぱいせんも、わかりやすすぎ」

「え、えええっと?!」

「ま、柚がナツぱいせんのこと好きな理由、なーんとなくわかりました」

「ちょ、カリンくん! それはもう、わたし諦めるし……」


まさかカリンくんにもバレバレだなんて最悪だ、わたしってそんなにわかりやすいのかな? きくちゃんには一度だってバレたことないのに。

カリンくんが突然パイプ椅子から身を乗り出した。ベットに座るわたしの額を突然綺麗な手のひらでグイッと押して、枕にバフっと頭を鎮められる。

額を手のひらで抑えたまま、カリンくんの顔が私にグイッと近づいた。な、なに、なんなのこの状況?!!


「好きな人の前ではカワイー顔するんすね、ぱいせんも」

「なっ……」

「それに、そーいう顔って、自分に向かせたくなるモンなんですよ、オトコって」


ふっと。カリンくんが笑って、すんなりと離れていく。

な、なに、なんなの! またバカにされた?!!



「ひとまず、昼まで寝たら? 柚にはオレから言っときますよ」



と、カリンくんは私に背を向けてひらひらと手を振りながら保健室を出て行った。