シトラス・セブンデイ



生まれて17年間、彼氏が出来たこともなければ、誰かに告白されたり、告白したり、そういう経験が一切ない私にとって、すごく、眩しい。


同時に、言葉にされなくたってわかるあの子の気持ちが痛いほど伝わってきてしまって、苦しい。だって、仮にも黒瀬くんの好きな人は、信じられないけれど私なのだ。



「……すみません、変なとこ見せて」



あ、声のトーンが変わった。

黒瀬くんって、人前だとあんなに低い声で話すんだ。私の前だけ、こんな風に優しく話しかけてくれている。



「黒瀬くんは、ああいう子は好きじゃないの?」

「え?」

「黒瀬くんのこと好きな、かわいくて、やさしい、……もっといい人、たくさんいるのに」

「……」

「あの子じゃダメなの?」

「……先輩だけには言われたくなかったです、それ」

「え、あ、そうだよね……ごめん」

「いいです、脈なしなのは、最初からわかってるので……」



しゅん、と肩を縮める黒瀬くん。さっきと同一人物とは思えない。



「でも、少しは男として見てほしい、です」



女の子には冷たいと噂で聞いていたけれど、私にだけ優しいなんて、そんなのずるいよ。