夢じゃなくて







「すいません!遅れました!」



「おう、笹野ちゃん遅れるの珍しいな
気をつけろよ」


「すいません!」


わたしのバイトはコンビニ店員。
そして、この人は店長の吉川さん。

ちょっとコワモテだけど、すごく
優しい人で、めったな事じゃ怒らない。



わたしは店長の優しさに感謝して
急いで制服に着替えてレジに立った。



店内にお客さんは少ない。



「あ!笑美ちゃんお疲れ〜
遅刻なんて珍しいじゃない?
もしかして、デート?」


小声で話しかけてきたメイクばっちり
女子力高めなこの人は彩乃さん。

キャピキャピしてるけど
多分、わたしより年上。


「そんなんじゃないですよ、
…忘れ物しちゃって」


「そうなの〜?笑美ちゃんもたまには
デートとかしなくちゃダメよ〜」


「そ、そうですね…頑張ります…」



あはは…と、空いてるレジを任せて
裏に回った。