夢じゃなくて




パスタを食べ終わって、紅茶なんかを
飲んで一息ついていた時、




「あのね、笑美。
わたし、彼氏が出来たの。」


「へぇーそうなの…ん?え?」





ちょっと、彼氏って…え!?
そんなの聞いてないんですけど!




ちょっとパニック状態になったけど、
落ち着いて話を聞けば、相手は合コンで
知り合った、別の大学の同級生らしい。



なんとなく、彼氏のできた陽奈子が
遠い存在になった気がして寂しくなった。



「笑美も合コン行ったらいいじゃん!
彼氏欲しいんでしょー?」


「うん…でも、あたしは人と話すの
苦手だし…」


「笑美ねぇ、自分から動かなきゃ!
何もしなかったら変わらないって!」


「うーん…そうだけどー…」



それができたら苦労しないんだよおおお…

ため息をついて、うなだれていると、



「あれ?笑美さ、今日バイトは?
もう結構時間経ってるけど…」


「え?…あ…えぇ!?やばい!やばい!
ごめん、あたし行くね!」


「気をつけてねー」



陽奈子に謝って、お店を飛び出した。



話してたら時間経つの忘れてた!
絶対遅刻じゃんか!