ボールペンを渡して、それじゃあと
向きを変えようとした時、
「…あ!あなたこの前ぶつかった人だ!」
突然、大きめの声で呼ばれて
ビクッとなる。
「あ、すいません…でも、そうですよね?」
「は、はい。
あの後、落ちてるの見つけて…」
「本当にありがとうございます。
これ、すごく大事にしてて…」
こんなイケメンが喜んでくれるなら
いくらでも返しに行きますよ…!
想像以上に喜んでもらえて
ずっと斜め下だった目線をちらっと
上にすれば、イケメンとばっちり
目があった。
「あ、えっと、本当に良かった…です。」
焦ったわたしは、またサッと
顔を下げる。
