ニコはそそくさとその場を出ようとする。



「あ、あの!ちょっと待ってくれませんか?」

「ん?どうしたの?」

「家族や大切な人がたくさんいるので……見ていってもいいですか?」

「あら、ごめんなさいね。
もちろん、いいわよ」



友達や先生が線香を立てに行っているのを、優空はひたすら眺めた。



「うぅ……う、優空ちゃん。 寂しいよぉ」



あれは……菜愛ちゃん。



菜愛(なえ)。彼女は優空の親友で、とても心優しくフレンドリーな性格ですぐに仲良くなった。