2016年に戻ってきた私。

さっきまで一緒にいた颯斗があの病院で死んだことが、まだ本当なのかわからない。

守るべきものは守ったはずなのに、それでも颯斗が死んじゃったらプラスマイナスゼロだよ…

「美月、和也さん、葉月さん、拓海さん、彼方さん。この人たちの死は、颯斗の死によって守られたんだよ?」

颯斗、聞こえてるかな?
この声、空の颯斗に届いているかな?

私は、一つ大きなものを失った。それでも、時間は過ぎてゆく。前へ進まなければならない。