一つは、守るべきものは守ったこと。

二つ目は、車を運転していたのは『あの人』だったこと。

三つ目は…大切なものを失ったこと。

そのあと、彼方さんが警察と救急車を読んでくれたが、病院で颯斗は息を引き取ったらしい。

颯斗は死んでしまったから、生まれていないことになってしまうのか。そんなことを考えていると、私は心に大きな穴が開いてしまった気がした。

私は病院を後にして、1974年も後にした。