私は嫌な予感がした。

でも、彼方さんを追いかけている颯斗を見ると、その予感は本当になりそうだった。

「颯斗待って!」

私のその言葉に、颯斗は振り返った。私が言葉を発しようとした時、私と颯斗の言葉が重なった。

『自分の運命から逃げるなよ。』

そう微笑んでまた歩き出した。隣には、スピードを出した車が彼方さんの方へ、向かい走ってきた。

それを防ぐように、彼方さんの方へ颯斗は走っていき彼方さんの背中を押した。彼方さんの体は、歩道に飛ばされ助かったようだ。颯斗は、その車に轢かれた。

私はその状況が、まだ整理できていなかったけど、彼方さんが近づいてきたことで私にはわかったことがあった。