私は、その人が見えなくなってもその場に立ち尽くしていた。

それは、緊張のせいなのか、安心のせいなのか、それともこれから起こることへの恐怖なのか。

「私、早く帰らないと!」

スマホの時計を見ると今は、22:40。やーばい!お母さん、心配してるかも!てか、してるよね、絶対!私がこんなに遅く帰るなんてあまりないから。

私はお母さんに送る、メールを打った。

「ちょっと友達と遊んでて、遅くなっちゃったー!すぐ帰ります!」

短いメールだけど、心配していたならこれだけでも安心だろうなー、とメールを見ながら思った。

スマホを閉じてからは、ジョギングで家まで帰った。