【クリスマスセール!】


キャッチーなチラシのおかげか、店内は人で溢れかえっている、


『いらっしゃいませーー!!』


大勢の店員の大きく、元気な声が店内に響く。

私は、目的の新発売の靴が欲しく、売り場まで移動しようと試みるも、流石クリスマス。

混雑で身動きが取れない。

「あちゃー、ついてない。そりゃ、そうだよね。
クリスマスだもん。こんな日に来たら、混むに決まってるわ。完全に来る日間違えた。失礼しまーす。」

こんな声も大声に掻き消されて、届くことなく消えていく。

てか、わざわざ来ないで、靴屋で働いてるんだから、もっと早くに在庫確保しておけばよかった…

どよーんとした気持ちになりながら店を出る。

店を出て少し歩いていると、聞き覚えのある声が背後から下。


「あかりさーん!!あかりさーん!!待ってください!」


自分の名前にとっさに反応して振り向くと、後輩の花ちゃんが立っていた。