〜あかりside〜


ついに今日、救えるんだよね… 逢えるんだよね…


なんて、ベッドの上で呑気に考えてると、お母さんが部屋の向こうから話しかけてきた。


「ほら、あかりー、もう起きなさい!もう、9:30よ!10時に待ち合わせしてるんでしょ!」


そうやって言うのは、高橋綾子、私のお母さん。

ていうか、ちょっとまって、え……
あと30分で全部済ませろと… そんなの無理に決まってる。

「あーー、もう!やばい!!起きてたのにーー!!なんで教えてくれなかったのーー!」


私は怒りながら、というか逆ギレしてると、呑気に朝ごはんを食べながらお母さんは返事をしてきた。


「だってもう起きてたじゃない!!そうこうしてるうちに、時間はどんどん過ぎるわよー。もうダメね。今からじゃ間に合わないわねー。」


間に合わないわねー、ってもう本当呑気!


もういいや、ご飯いらない!

ヤケクソになった私は、適当に服を着て髪を結び、昨日後輩にプレゼントしてもらった、靴を履きお母さんの言葉を、耳に挟みながら外に出た。


「あれ?あかり、ご飯はー?まあいいわ、気をつけて行ってきてねー!」