決行の日取りを決め、床につく。
薬売りの娘はまだ牢に入れられて2日、とのこと。
少ないけれど、まだ時間はあるわ。




今はお妃様によって追放された元プリンセスにどこまでできるのか、恐怖があたしを襲って中々寝付けない。
こんな時、六花がいてくれたら……。




窓辺に腰かけて窓を少し開く。
青く光る月と、それに照らされる城は数年前まであたしのものだったのに。





「林檎、林檎」
「六花?!どうしてここに」
「薬売りがちゃんとした薬処方してくれたおかげで絶好調だ。それより急げ。薬売りを今すぐ起こして突撃だ。薬売りの娘の処刑が早まった」




六花のそのセリフに慌てて薬売りを起こす。
まだ装備に不安は残るけれどそんなことは言っていられない。
早く、早く助け出さないと。





「良い?城の北に小さな橋がある。あそこは警備の手も薄くて入り込むのにはちょうど良い。しかもあそこならすぐに牢の鍵を手に入れることができるわ」
「そうか、守衛室」
「そういうことよ。さあ行くわよ」




城の裏手、北門に回り込んで件の橋を見つける。
今夜の警備も薄い。
これなら城に難なく入り込めるわ。




「Ready go!」