咳が収まると、
「――風邪をひいたらしい…」
と、修哉さんは呟くように言った。

「風邪ですか?」

思わず聞き返したあたしに、
「どうも、出張先からもらったらしい…」

修哉さんは頭が痛いと呟いた後、躰を起こした。

「わわっ、無理をしないでくださいな!」

あたしは彼のフラフラしている躰を支えた。

「確か、救急箱に風邪薬がまだ残ってたはず…」

ブツブツと呟いている修哉さんに、
「風邪薬ならあたしが持ってきます!

修哉さんは早く着替えて、寝てください!」

あたしは言い返すと、彼を寝室へと連れて行った。