「今はお腹が空いたので、何でもいいから食べたいです」

そう言ったあたしに、
「ほのかちゃんって、食いしん坊なんだね」

小泉さんはクスクスと笑った。

「でも、小泉さんがファミレスの方がいいと言うならば」

「あのさ」

あたしの話をさえぎるように、小泉さんが言った。

「俺のこと、名前で呼んでいいから。

俺も君のことを名前で呼んでいる訳だし」

「修哉さん、ですか?」

「うん、それで」

小泉さん――修哉さんは首を縦に振ってうなずいた。

まあ、いいか。

一緒に暮らすのに名字で呼ぶのはおかしいって言うことだよね。

「じゃ、今度こそ行こうか」

「はい」

あたしたちは広場を後にした。