ステンドグラスの聖母マリアが優しい微笑みを浮かべて見下ろしている教会。

純白のウエディングドレスに身を包んだあたしは、お父さんと一緒に深紅のじゅうたんが敷かれたバージンロードを歩いていた。

これでお父さんと一緒にいるのは最後か…。

後数歩で終わってしまう父親との時間を噛みしめながら、祭壇の前にいる修哉さんのところへと向かっていた。

純白のタキシードに身を包んだ修哉さんがあたしのことを待っていた。

「ほのか、幸せにな」

お父さんが名残惜しそうに言って、あたしの手を離した。

「うん」

あたしは首を縦に振ってうなずいて、お父さんに笑いかけた。

修哉さんの隣に並んで神父さんの誓いの言葉を聞いた。

「――誓います」

そう言った修哉さんに、
「――誓います」

あたしも言った。

☆★END☆★