「我ながら何してるんだろうね、俺たち」

そう言って笑った修哉さんに、
「ホントですね」

あたしも一緒になって笑った。

「もう少し見て回ったら、どこかご飯に行こうか?

もう夜も遅いし」

そう言った修哉さんに、
「そうですね」

あたしは首を縦に振ってうなずいた。

修哉さんはあたしが好きで、あたしも修哉さんが好き――つまり、結果的には両思いだったと言うことである。

本当によかった。

あたし、今すごく幸せだよ。

だけど、
「おい、いたぞ」

「間違いない、あの子だ」

幸せの崩壊はもうすぐに近づいてきていることを、あたしは知らなかった。