「お姉ちゃん?」
はっ!
私は目を覚ました。
「お姉ちゃん、ずっとここで寝てたのよ。さっき、倒れてね。」
「あ…………………」

気のせい、だったのかな?
私が六年前に行ったのは。


 ポケットに手をつっこんだ。
 ん?
 何か、入っている。

 取り出したのは、あの、桜の花だった。
 『私』がくれた、あの桜。
「気のせいじゃ、なかったね。」
「?」
「菜々、卒業式終わっちゃったよ。あんた、何してんの?」
「なんでも、何よ。」